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【バイオマスフィルム】自然にやさしく、自然をおいしく お米由来の米袋でSDGsへの取り組み

2025.07.30
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最近、増えているお米のバイオマスプラスチックを利用した米袋。

以前の1部の記事ではくまさんの輝きを熊本の県内一のお米ブランドに育てるべくお米由来の米袋を採用いただいた企業様をご紹介させていただきました。

その時の記事はこちらからどうぞ !

今回はお米のバイオマスプラスチックでバイオマス率25%の米袋を日本で初めて採用いただいた企業様をご紹介いたします。

日本で初めて採用されたバイオマス率25%の米袋

熊本県八代市に本社を構える株式会社坂本食糧様。
生産者や消費者のニーズにこたえるため、品質管理を徹底され、時代の変化に対応しながら地域の食文化を支えられています。
食卓に並ぶ主食米はもちろん、焼酎・ビール・米菓などの原材米まで様々なお米を取り扱っております。

さらにSDGsへの積極的な取り組みや環境に配慮した製品開発にも力を入れており、スーパーや量販店様向けのお米袋として、国内で初めてお米のバイオマスプラスチックを25%使用した米袋を採用いただきました。

株式会社坂本食糧 執行役員 本社営業部 部長の村上勝治様にお話をお伺いいたしました。

―御社でお米由来のバイオマスプラスチック原料を採用された経緯を教えてください。

村上様:以前から環境負荷軽減への取り組みを色々と拡大を検討していく中で、お米を販売しているということで米袋もお米にまつわるものを使っていきたいと考えていました。
実際にお米のプラスチックが配合された袋を手に取った際に、手触りや風合いがとても良かったので採用いたしました。
グループ企業である第一食糧株式会社でも採用し、現在では合計7種類(シーラント5種類、単層フィルム2種類)でお米由来のバイオマスプラスチックで作られた米袋を使用しています。

ライスフィルムの米袋が採用されている無洗米阿蘇こしひかり。マット調で優しい風合いです。
こちらはシーラントの米袋。2kgのチャック付きは冷蔵庫に保管することもできて大変便利です。

―実際にお米由来のバイオマスプラスチック原料を採用されて、反響はいかがでしょうか?

村上様:実際にこの米袋がお客様の手元に届いた反響としては25%お米が入った袋の反応がよかったです。今までの米袋との手触りや風合いの違いが伝わりやすいですよね。
環境に優しい袋としてアピールをしたかったので、袋のデザインも優しさをイメージして自然な丸を入れてシンプルにしました。また、弊社独自で作成したパネルをスーパーマーケット様などで設置させていただいて、米袋をお客様にご紹介しています。

坂本食糧様がオリジナルで作成されたライスレジンの紹介パネル。

―現場での使用感はいかがですか?

村上様:匂いや色に問題はありませんし、パレットに積載した滑りも懸念していましたが、こちらも問題ありませんでした。
25%の袋については通常の袋と比較すると汚れがつきやすかったのですが、パレットにシートを引いて対応することで簡単に解決できました。
自動充填時に破袋の懸念もあったのですが、お客様からのお申し出も特になく、強度自体は強いと考えています。

持続可能な地域社会を目指して

―今後の米袋の展望や方向性などあれば教えてください。

村上様:現在の米不足を受けて、現状は停滞しているのですが、状況が落ち着いてきたら全ての製品にお米由来のバイオマスプラスチックを採用したいと考えています。
今まで以上に企業としてカーボンニュートラルを推進して、持続可能な地域社会を目指して活動していきたいと思っています。

株式会社坂本食糧 執行役員 営業部 部長の村上勝治様。

坂本食糧様はSDGsに積極的に取り組まれていて、完全循環型システムによる無洗米の製造により製造工程での洗米廃液や家庭での米のとぎ汁の排出を減らすことで水資源の質と量の保全に貢献しています。
企業として環境問題に取り組む姿勢はお米由来のバイオマスプラスチックを推進している私たちにとっては大きな刺激となりました。

くまもとゼロカーボンと地域企業や住民に根付いた環境への意識や想いの強さ

2回にわたって株式会社サタ商事様にご紹介いただいた企業様をご紹介させていただきました。

実際に、お米のバイオマスプラスチックを使用した米袋を採用していただいたお客様と直接お話しすることで、わたしたちも大変勉強になりました。

熊本県ではお米のバイオマスプラスチックを使用した製品をすでに多く採用して頂いておりますが、そこには環境に対する想いや意識、株式会社サタ商事様が関わるコミュニティの強さに加え、熊本県が目標としている「くまもとゼロカーボン」などといった自治体の方針が一致することで、それらが実現されているようです。

代表取締役社長の築島秀明様に今後のサタ商事様の展望をお伺いしました。

築島様:現在は熊本県下での営業スタイルですが、今後は熊本県だけではなく、九州、沖縄エリアへ販路を拡大し、ゆくゆくは本州方面へ進出していきたいと考えています。その実現に向けてキーとなるのがお米由来のバイオマスプラスチックを使った米袋だと考えています。
これからも環境負荷低減を念頭に置き、製品に合わせたパッケージをご提案していきます。

当グループも環境への意識や想いにお応えできるような、更なる製品開発を進めてまいります。
お米由来のバイオマスプラスチックにご興味のある企業様、自治体様は是非お問い合わせください!


取材協力:
株式会社サタ商事様のホームページはこちら https://www.sata-packaging.co.jp/
株式会社坂本食糧様のホームページはこちら https://saka-syoku.com/