近年、SDGsや環境を重視する取り組みが行われる中で、レジ袋が有料になったり、食品・日用品のパッケージが紙製になったりと脱プラスチックの動きを私たちも実感することが多くなりました。
そんな取り組みの中で既存の石油プラスチックから、植物由来の資源を原料としたバイオマスプラスチックが世界で注目されています。
とうもろこし、サトウキビなど様々な原料のバイオマスプラスチックがありますが、私たちがもっとも身近で親しみを感じるのは、『お米』を原料とするライスレジンプラスチックではないでしょうか。
わたしたちが日頃食べている食料米ではなく、精米時に出る廃棄米を原材料として、新しいテクノロジーでプラスチックにアップサイクルしたものがライスレジンという環境素材に生まれ変わっています。
Sky Material グループの株式会社バイオマスフィルムではライスレジンを中心とした国産バイオマスプラスチックのインフレーション成形全般を行ない、ごみ袋やレジ袋など環境に優しい製袋品の製造を通じて幅広いニーズに応えています。
一般的なプラスチックは石油からできており、焼却処分時に二酸化炭素を発生させます。
例えばゴミ袋。ライスレジンを使用することで配合したお米の分だけ使用する石油資源を減らすことができ、焼却時に通常のプラスチックを使用することと比較して二酸化炭素を削減できます。
それはお米が生育時に二酸化炭素を吸収し、焼却時の二酸化炭素排出量を相殺するからです。大気中に排出される温室効果ガスの量と、森林などの吸収量を差し引いて、全体で実質ゼロにするカーボンニュートラルのサイクルが成立します。
そして国内で栽培された原料米を使用してライスレジンを製造することで、原料輸送に伴う二酸化炭素排出量を減らすこともできるのです。
最大で、PP(ポリプロピレン)ベースだとお米の割合が70%、PE(ポリエチレン)ベースだとお米の割合が50%の比率でライスレジンペレットを製造することができます。
ライスレジンの製造はカーボンニュートラル実現に向けた取り組みだけではなく、原料米のほかにも古米や粉砕米、政府備蓄米など食用に適さない廃棄米を原料として製造されるためフードロス対策に貢献することを目的にしているのです。
ライスレジンで製品化できるのはインフレーション成形品だけではありません。
カトラリーやストロー、歯ブラシや食品用パッケージ、お子様向けのおもちゃなど様々な形状に加工され、製品化されておりその数は800アイテム以上になります。
環境問題への関心が高い企業様や団体様には、カトラリーや袋類などを採用いただいておりお問い合わせなども増えています。
特に口に入れるカトラリー類や、赤ちゃんのおもちゃなどは安全性が重要です。
お米が原料のライスレジン製のカトラリーやおもちゃは環境に優しいだけではなく、人にも優しい製品なのです。
ライスレジンはお米を原料に製造されるため、含有率によってお米の香ばしい香りが製品に残ることもありますが、時間が経つと香りが薄まるので用途やコストに応じてライスレジンの割合を調整して製品化することが可能です。
また、ライスレジン製品は自然由来の乳白色のような色合いになるので優しい風合いを感じることができます。
今後、環境への配慮がより一層重要視される中、このようなバイオマスプラスチックの普及が進むことで、プラスチック廃棄物の削減や石油資源の節約に貢献し、環境への負荷を減少させる一環となることが期待されます。
これからの持続可能な社会に向けて、環境に配慮した優しいライスレジン製品に注目です。