近年世界中で環境問題への取り組みが進められていますが、そのなかでキーワードとなるのが循環型社会です。生態系の循環を尊重し、自然に負荷をかけない地球にやさしい社会を目指します。
そんな社会を実現するために、「3R」、リデュース(ゴミを減らす)・リユース(繰り返して使う)・リサイクル(再利用する)が重要と言われています。
弊社グループの昭プラ株式会社は循環型社会への取り組みに対応するべく、最新鋭のリサイクル機を導入したリサイクル工場を建設いたしました。
今回、稼働が始まったリサイクル工場にお邪魔して見学してまいりました!
このリサイクル工場では弊社グループのスカイフィルム株式会社でフィルム製膜の際に発生してしまう端材を最新鋭のリサイクル機で再生し、ポリエチレンペレットを製造します。
ポリエチレン(PE)とは、五大汎用樹脂の一つです。ポリ袋や食品の保存容器、食品用ラップ、人工芝などにPEが使用されています。
これまで異物等の品質問題で使用が難しいとされていた食品用途向けフィルム(シーラントフィルムの中間層)にも利用可能な再生原料を弊社グループで製造することができるため、廃棄フィルムの再生用途を拡大することができるのです。
プラスチックは、原料のほとんどが石油です。天然資源を大量に使用する上に、その製造過程で多くのCO2を排出します。再生プラスチックは、リサイクルによりゼロからプラスチックを製造する必要がなくなり、1.16トンのCO2を削減することができると言われています。
これらの技術をさらに広く活用していくことで、天然資源の枯渇リスクと環境負荷を低減できると考えられます。
リサイクルされるのはスカイフィルムのフィルム製膜の際に発生した端材です。
端材といってもこんなに大きなロール状でやってきます。
フィルム(樹脂)を扱いやすいように小さく粉砕し、溶かします。
その溶けた樹脂を棒状に押出し、粒状にカットし水冷し乾燥させます。
ポリエチレン樹脂ペレットはマテリアルリサイクルによって日用品・洗剤・食品の包装や、ケーブルの被覆材、産業資材などで活用されます。
マテリアルリサイクルは、資源循環に直接貢献するためサステナビリティの高いリサイクル手法といえます。
また、一般的にポリエチレン樹脂ペレットは下記のような特徴が挙げられます。
・機械的強度が優れている
・低温時の機械的強度が特に優れている
・耐薬品性が優れている
・耐候性が優れている
・吸水性がほとんど無いため防水性が高い
そのため、広い分野において活用することができるのです。
軽量で耐久性があり、形を加工しやすいプラスチックは、私たちの生活に欠かせないものです。だからこそ、プラスチックの大量生産・大量廃棄は環境に深刻な問題を引き起こしており、特に海洋汚染やCO2排出の増加は国際的な課題となっているのです。
日本では、「2050年までにカーボンニュートラルを実現すること」を目指しています。カーボンニュートラルとは、CO2などの温室効果ガスの排出をゼロにするための取り組みのことです。
カーボンニュートラルに向けた取り組みの中で、再生プラスチック活用の重要性は高いと言えます。生活やビジネスのあらゆる場面で使われているプラスチックが再生プラスチックに置き換わることで天然資源の消費が減り、CO2排出量を抑えることができます。
現状、プラスチックの利用をゼロにするということはわたしたちの生活において難題だと思います。
しかし、企業や消費者が連携して意識を高め、リサイクルを日常の一部にする文化を育むことが、地球環境の保護と資源の持続可能な利用への変化が始まるのではないでしょうか。
従来のプラスチックから再生プラスチックに置き換えることでSDGsへの取り組みの一助としてみませんか。